寄稿 高校31回

今では良き思い出

高校31回 一同

創部100周年おめでとうございます。当時の苦しかった練習・合宿も、今では良き思い出です。

入部当時、重苦しい雰囲気を感じていました。それは、もう何年も花園への経験のない中、伝統の重みを一身に背負う先輩たちの花園への思いだと思いました。

現役日本代表の森先輩をはじめ、豊山先輩・南川先輩・・という偉大なOBの皆様が教えに来ていただいたにも関わらず、それが逆に重みとなり、先が見えない中での重苦しい練習が続き、試合にも負けが続いた記憶だけが残りました。  

縦の関係では、2つ上、1つ上の先輩たちにやさしく接していただいたにもかかわらず、私たちの代は、同期も少なく、とても花園なんて考えられない状況で、伝統の重みに耐えきれず、退部・休部した者も複数出るなど最悪でした。

こういう状態で、最上級生となり、案の定、県予選1回戦負けという、不名誉な記録を作ってしまいました。先輩たちにはもちろん、跡を継ぐ後輩たちには申し訳ないという気持ちからなのか、自分たちの不甲斐なさからなのか、試合後には自然と涙があふれ出し、「悔しさ」が沸き上がったことを今でも思い出します。

しかし、私たちの負け方を見て、先輩OBの皆様が奮起され、1つ下が、決勝戦へ、そして2つ下が花園への道を切り開いてくれた時は、自分達のことのようにうれしい気持ちと同時に、重苦しかった伝統が、雪解けしたかのように、素晴らしい伝統が蘇ったと思いました。

それから、45年が経ち、私たち同期も還暦を過ぎましたが、あの苦しかった練習・合宿、悔しかった試合も、今では、良き思い出として、仲良くお酒を交わしています。

追伸です。同期の今林が、福岡高校ラグビー部出身ということでしょうか、森先輩が日本協会の会長されたことが縁になったのか、現在、県ラグビー協会の副会長、市ラクビー協会の会長を拝命させていただいています。

昨今、ラグビー競技の危機と言われています。確かにワールドカップの盛り上がりはありましたが、年々、ラグビー人口は減少傾向にあり、それに歯止めをかけるべく取り組んでいるとのことです。

幸い福岡では、コカ・コーラの廃部に伴い、香椎のさわやかグランドが、ジャパンベースとして、日本代表の強化拠点となりました。福岡だけは、ラグビー王国として末永き繁栄を期待するところであり、その基盤は、何といっても、福高の復活であり、最大のライバルでもある修猷館、そして筑紫・東福岡・・・面々の活躍だと思います。 我ら福高ラグビー部が、100周年を契機に、さらなる発展されることをご祈念申し上げ、寄稿とします。