寄稿 高校39回

楕縁

入江啓祐

創部100周年おめでとうございます。卒業後35年も経過すると授業や行事など高校生活の記憶は薄れてしまっていますが、ことラグビーについてだけは、今も夢に見る瞬間が多々あります。

我々の現役時代は空前のラグビーブームの中で、三野先生は勿論、森重隆先輩、豊山京一先輩ほか錚々たる先輩方にグラウンドでご指導を頂いたこと。振り返ると非常に贅沢であり、しかしながら多くを自らに身につけることが叶わなかったのは、今となっては青春の後悔でもあります。

これまでの生涯において最も密度の濃い時間を過ごしたと思える場所で出会えた諸先輩、同期、後輩とはいかに時と距離が離れても、すぐにあの時代に戻ることができる仲間=人生の財産です。

オーストラリア高校選抜が九州、関西、東京の遠征をおこなうに際し、部員宅にホームステイする機会がありました。我が家にも2名が泊まっていったのですがその縁が2003年の第5回ワールドカップオーストラリア大会で邂逅に繋がりました。 また湯布院合宿を共に過ごした各県の選手たち、沖縄国体強化のために対戦した選手たちとのちに大学、社会人で出会い、対戦相手ですらも共通の話題が持てたのも福高ラグビーがもつ力だと改めて思っています。