寄稿 高校59回

バトン

松尾怜朗

高校59回卒の松尾怜朗です。この度は、福中・福高ラグビー部100周年を迎えるにあたり、ご尽力されておりますOB・OG会長をはじめ役員の皆様に心より感謝申し上げます。

私たち59回生が福高ラグビー部の門戸を叩いたのは2004年。今思えば創部80年の節目の年でした。ラグビー経験者・未経験者、自分で興味を持った者や応援歌練習で目を付けられた者、他の部から逃亡してきた者。多種多様な入部方法により集まった個性豊かな仲間たちでした。あれからもう20年と考えるとなかなか年を重ねたなと実感します。

福岡高校ラグビー部は私にとって「人格形成」の場でした。

厳しくも優しい上下関係を教わり、仲間を思いやり、尊重し、チームのために体を張る。相手へのリスペクトも忘れない。そうした福高魂は、間違いなく今日の礎となっています。

私たちの代で、やはり印象深いことと言えば全国選抜大会への出場です。

3年生が引退し、新チームとなって最初の大会である新人戦で、ライバル修猷館に勝利し、久々のベスト4入りを果たしました。その後、準決勝では東福岡には完敗したものの、チャレンジ枠としての出場権を与えられました。今まで諸先輩方の築き上げた歴史と伝統、受け継がれてきた“バトン”で、大きなチャンスを得た瞬間であり、福高ラグビー部の一つの転換期にもなったと思います。

熊谷で行われた選抜大会では一回戦、第一試合で開催地である埼玉県の深谷高校との対戦。台風並みの強風が吹き荒れる中、8-10で惜敗。スタンドオフへのパスが風で曲がるという経験は、後にも先にもこの試合だけでした。

高校時代の試合を振り返ると書きたいことが尽きることなく、喜びも後悔も昨日のことのように思い出されます。

前日の作戦を忘れるやつ、最後の試合だけ目覚ましい活躍をするやつ、TVのために骨折するやつ、主将に反省文を書かせる後輩、満身創痍のエース、ちょっぴり厳しいマネージャーなどなど。個性だらけのチームメイトでしたが、試合になるとみんながみんなのために体を張れる、本当に誇らしい仲間たちが支えてくれたからこそ主将としての役目を果たせたのだと思います。ありがとう。

最後になりましたが、森監督、木原さんをはじめ藤先生、牟田口先生、その他ご指導・ご支援頂いた多くのOB・OGの方々へ、改めまして心より感謝申し上げます。 福岡高校ラグビー部の今後益々のご発展とご活躍を心より祈念いたします。