寄稿 高校62回

谷間

重智廣

『お前らの代は谷間だな。』
そんな事を誰かに言われた記憶が今でも蘇る。

上の世代は団結力があり非凡な選手が多く、下の世代には未来を担う才能が沢山あふれていた。

入部当初から多くの仲間が脱落し、私たちはその中で生き残ったが、まとまりに欠けていた。

試合開始直前になってもライン引きが終わらず
先輩方に『お前ら声出して、お互いが何やってるか確認しろ!!』と怒られた1年生時代。
まさに私達らしい。

そんな代を牽引したキャプテンの松村。
1:5のタッチフットを粘り強く果敢に挑戦する姿勢から分かるように、キャプテンとしての役割を果たそうと腐らず頑張ってくれた。本当にありがとう。

GWの長崎遠征、夏の阿蘇合宿、地獄の木曜日、食えない焼肉…。時間はどんどん進みながらガムシャラに練習を続けた3年間。

その中でも印象に残っているのが、最後の東福岡高校との試合。
当時のヒガシは歴史上最強軍団と言っても過言では無かった。

試合前日にアイシールド21を読んで自分を鼓舞した事を思い出す。(泥門vs神龍寺ナーガ)

そして向かえたヒガシとの試合。
ひたすらみんなでタックルし、立ち向かったが全く隙が生まれない。
そんな中、後半の後半、モールでのトライ。
バックスが繋いで繋いで相手陣地までボールを運び、ペナルティーからのモールでトライ!!

本当に嬉しかった事を今でも思い出す。
最後にやっとチームとしてまとまった瞬間だった。

こうやって3年間を振り返るとがむしゃらに練習を頑張った自信はある。
ただ、今になって、筋トレをもっとやってたら、FW主体の作戦を試しても良かったかな。と色々考えてしまう。

後悔は無いと思っていたが、歳を重ねるごとに色んな経験をする度に、福高ラグビーの時に試していたらと、つい考えてしまう。

高校を卒業して14年も経つ中で、未だに考えてしまう。そのくらい福高ラグビー部が好きだったのかなと。


だらだらと書いてしまいましたが
最後に、福高ラグビー部100周年本当におめでとうございます。
この部に所属できたことを心から誇りに思います。
現役生達には、後悔の無い現役生活を送って頂くことを祈り、締めさせて頂きます。