寄稿 高校64回

バカーンといけ

寺川賢太

福中・福高ラグビー部100周年を迎えるにあたり、このような機会をいただきまして誠にありがとうございます。
偉大なる歴代の先輩方、いつもサポートいただいている皆様方のおかげさまです。感謝申し上げます。

本稿をきっかけに、特に現役選手へのちょっとしたやる気や原動力になりましたら嬉しく思います。

「バカーンといけ!!」(正確な擬音は不明)
当時監督の森さんの言葉です。
思い返してもだいたいこれしか思い出せません。…これだけというのは冗談ですが、この言葉はめちゃくちゃ大事なことで多くのことを学びました。

だからこそ2年時に気合いの魚雷タックルで勝利し花園出場を決めることができた時は嬉しかったし、3年時にはなかなか戦績が振るわず、最後は東福岡にチームとして手も足も出ずボロ負けして引退したことが本当に悔しかった。

やっぱり気合いとガッツは大事なことだし、仲間・チームで決めたことを全員で最後までやりきれなかったことはめちゃくちゃ悔しい。
だからグランドに立ったら気合い入れて頭からタックルにいったほうが絶対にいい。驚くことに意外と痛くない。むしろ気持ちが良くて最高。
びびって逃げて、タックルいかなかったほうが絶対に痛い。仲間を裏切ること、逃げること、諦めることは本当に心が痛い。これ以上に怖いものはない。

生意気ながら現役選手のみんなに1つだけやってほしいことがある。
仲間を守るために、気合いとガッツで頭からバカーンと相手に突き刺さってほしい。(逆ヘッドにはお気をつけて)

「仲間を助けないやつは選手である前に男じゃない」
こちらも森さんの言葉である。
私達は福高ラグビーで生き方を学んでいた。
現役最後の負けは悔しく今後もその結果は変わることはない。しかし、これからの人生も支え合う大切な仲間ができた。様々な人々が支えてくださる、当たり前の環境ではない、感謝が溢れ出る。仲間のために体を張ることの喜び、何度でも這い上がる強い心を培った。
かけがえのない経験をさせていただいた。

後から気付いていったが、福高ラグビーから私達は生き方を学んでいた。
何してもいい、ただ勝てばいいってわけではない。
どうありたいか、諦めずにやりきれるかが大切である。
誰しも必ず訪れる最後のノーサイドの瞬間、どういうチームでありたいか、どういう人間でありたいか、今一度考えてほしい。

福高ラグビーは勇気と感動を与えてくれるかっこいいチームであってほしいし、私達高校64回もそういう代でありたい。

現役選手の皆様、苦しく辛いことも多いと思いますが、私達OB・OGはいつでも味方です。
伝統とはその一瞬一瞬を必死で取り組むことによって積み重ねられるものだと思います。重みには感じず、更なる力に変えて、今この瞬間に集中して一つ一つ頑張ってください。
微力ながら、私達も一生懸命応援いたします。

最後になりますが、福中・福高ラグビー部100周年、誠におめでとうございます。そしてありがとうございます。
チーム・社会を引っ張るリーダーとして、今後もバカーンといきましょう。