寄稿 高校68回

ラグビーを続ける理由

中島謙

去年の6月、土谷の結婚式で久々に同期で集まった。お酒を飲みながら専ら高校時代の思い出話で盛り上がり、その日だけは、心が一気に高校時代に戻ったようで、日常を全て忘れて楽しんだ。

3年間の思い出を一緒に語りあうだけで、こんなにも楽しく、ときめくことができる。そして、そんな思い出を共有できる同期が18人もいる。本当に幸せなことだと切実に感じた。
しかし、今のこうした関係に行きつくまでに、18人全員で乗り越えなければならない壁もたくさんあった。楽しいことより、おそらくきついことの方が多い3年間ではあったが、そうした日々を共有してきたからこそ、今もこうして当時のままの関係でいられるのだと思う。

ラグビーの話をすると、68回生は勝負所でのノックオンが非常に多く、外が余っているのにパスをしない(できない)学年だった。ゴール前まで行っても最後はミスからターンオーバーをされ、一気に陣地を取られ失点。これがいつもの負けパターンで、最終戦までその悪癖は治らなかった。 3年間の集大成となる舞台で、ライバルである修猷館に大敗。当時、悔しさを通り越して、情けなさや申し訳なさが込み上げたのを覚えている。
しかし、結果は振るわなかったものの、花園を目指して努力を重ねた3年間の日々に何一つ間違いはなかったと思う。何より、こんなにも伝統のあるチームで3年間を過ごすことができたことを私は誇りに思うし、共に過ごした同期には格別の敬意と感謝を示したい。 

私は社会人でもラグビーの道を選んだ。小学生からラグビーを始めて、競技歴が今年で18年目になる。 最近「自分にとってラグビーとは何か」ということを考える機会があった。
この問いの答えをなかなか出すことができなかったが、今年1月に行われた試合で勝ったときに、笑顔で帰っていく人たちの顔を見て、ラグビーとは今までお世話になった方たちへ恩返しをする自分なりの手段なのだということに気がつき、自分自身がラグビーを続ける理由もそこにあるのかと思い始めた。

私を育ててくれた福高ラグビー部、そして68回の同期に恥じないよう、私はプレーで感謝の気持ちを伝えていきたいと思う。
また、同期の土谷も同じくラグビー選手。ラグビーにおける今の私の夢は土谷と公式戦で試合をすること。そしてそこに68回の同期を招待すること。叶えるためには越えなければならない壁がたくさんある。高校時代の3年間、同期と共に壁を乗り越えたように、今度は同期のために、まだまだ頑張ろうと思う。

最後に、100周年事業を取りまとめくださっている皆さまに心から感謝申し上げます。 福高ラグビー部の益々のご発展とご活躍を心から祈念いたします。