寄稿 高校75回

逆境

小川愛介

75回主将を務めました小川愛介です。福中・福高ラグビー部の100周年に寄稿というかたちで携わることのできる貴重な機会をいただき大変光栄に思います。ありがとうございます。

自分達75回生は高校3年間を全てコロナの影響を受けた代であり、また本当に怪我の多い代でもありました。正直、3年間の中で自分達は呪われた世代なんじゃないのかと何度も感じました。しかし、怪我でプレーできなかったり、コロナで練習ができなかったりする不自由な環境の中でも自分達75回生は自分がチームのために何ができるのかを考え、行動してきました。初心者で入部し、タックルしか能がなく言葉で自分の考えを伝えることが苦手な自分が主将を務めることができたのはこの責任感の強い同期が支えてくれたおかげです。たくさんの迷惑をかけたと思いますが、ほんとにありがとうございました。

先輩方が引退し新チームになった時、自分達はアタックに自信を持っていました。新人戦ではそのアタックで東福岡相手に先制することができ、秋に向けていいスタートが切れたと感じていました。しかし春にかけてコロナが再び流行するとともに、怪我人も増え、チームの雰囲気もどこか浮ついたものになっていました。そのまま春の大会を迎え、結果は福岡工業に敗北するという不甲斐ない結果を残してしまいました。ここから自分達はアタックではなく福高ラグビーの原点であるディフェンスに立ち返ろうと思い、いままで以上にタックルとフィットネスの練習に取り組みました。この時期のフィットネスはとても辛かったですが、徐々に成果が出始め、秋頃には絶対に走り勝てる自信がつきました。最後の大会は結果こそ悔しいものでしたが低く鋭いタックルが何本もあり福高らしいラグビーをできたと自負しています。

最後に、自分達の3年間は決して輝かしいものではありませんでしたが、この福高ラグビー部ではたくさんの貴重で素晴らしい経験をさせてもらいました。この3年間は自分達の今後の人生の中で欠かせない大切なものになったと思います。自分達は正直不自由の多い3年間を過ごしましたが、そのおかげで当たり前ということの凄さやありがたみを身に沁みて理解することができました。そして普段その当たり前にラグビーができる環境をつくってくださっているOBの方々や先生方、コーチの皆さんには感謝しかありません。本当にありがとうございました。