寄稿 高校77回

青天上

大庭謙伸

第100代福岡高校ラグビー部の主将を務めさせていただきました大庭謙伸です。歴史ある福岡高校ラグビー部でプレーできたことを誇りに思います。

ラグビー部での活動を通して、OB・OGの方々の手厚いご支援により福高ラグビー部が成り立っていることを多くの場面で実感しました。これまで多大なるご支援、ご指導をいただき、心より感謝を申し上げます。
これからはOBとして、微力ではありますが現役の支援に注力してまいります。

2024年10月27日。全国大会予選準々決勝。3年の集大成となった東福岡戦。悔し涙を流したが、潔かった。100年目のチームに相応しい試合ではなかったかもしれない。でもやりきった。全部出しきったと、これだけは言える。あの日のこと。もう一度試合ができれば勝てる。本当にそう思う。でもそれが叶わないのが高校ラグビー。一度きり。そこにドラマが生まれる。

第100代福高ラグビー部は2023年11月に始動した。その時に掲げた目標が花園出場。大きな目標であった。 1月新人戦ベスト8。5月春季大会ベスト8。日々の練習に励むも4強の壁を越えられなかった。なかなか成果が得られないまま迎えた夏。阿蘇合宿。辛い1週間を乗り越え、チームの絆が深まり団結力が増した。
9月、100周年記念事業として実施された関東遠征。課題が少しずつ改善され、強みに磨きがかかった。そして迎えた花園予選。初戦を制し立ち向かったのは最大の壁、東福岡。この60分間にすべてを悪けた。虚しくも敗退。力の差は大きかった。

ただ、1つプライドがある。福高伝統の突き刺さるタックル。先代が受け継いできた福高ラグビーの象徴。数えきれないほど何度も練習した。タックルでは負けられない。部員全員にその意志があった。体格で劣る東福岡相手に何度も突き刺さり、福高のタックルを体現した。

100年続く伝統校としての威厳を示した。

思い描いたドラマとはならなかった。しかし自分たちがやってきたことに間違いはない。品位、情熱、結束、規律、尊重。高校ラグビーで培った経験は値千金の財産である。そして、多くの方の支援によってラグビーができたことに感謝し、これからも福高ラグビーを愛し、この素晴らしい伝統を後輩たちに伝えていきたい。

福岡高校ラグビー部。永遠に青天”上”であれ。