2006全国選抜大会 1回戦 福岡VS深谷

8 - 10
フルタイム

概要

4/3(月) AM9:30 晴れ渡る強風の中、熊谷ラグビー場メイングラウンドの、目に染みる鮮やかな緑の芝の舞台で、第7回の全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会の開会式が晴れ晴れと執り行われました。

メインスタンドを蜂の巣のように埋め尽くす福高応援団からの割れんばかりの拍手が、強風のため先頭の部旗を二人で支える選手たちの行進を後押ししてゆきます。前日から17時間をかけて2台の大型バスに乗り込み、今朝グラウンドに着いたばかりの現役生徒を中心とする応援組。福岡からツアーを組んで前夜から盛り上がっている父兄、OB。その他どこから湧いて出て集まってくるのか、全国各地から集まってくる福高OB。

この熱き応援のかたまりの一人一人に、福高スポーツ振興会さんが用意してくれた福高の応援紙旗と、千代原頭の歌詞チラシを現役の女生徒たちが誰から言われるともなく、配り歩いています。福高応援団大団旗を囲み、この小さな紙旗が強い風にバタバタとはためき、スタンドは福高の色一色で波打っています。

いよいよ、福高選手が入場してくるや、とてもアウエイ(敵地)とは思えない、まるで前年度優勝校が行進してきたかのような、スタンド応援団の盛り上がりようでした。選手入場後、森喜朗前首相(日本RF協会会長)の情こもる、凛としたご挨拶に始まり、優勝旗返還、選手宣誓、開会式終わり。KOまでいよいよ40分。

相手深谷のアップ練習を横目で見ては「すごかー」と思いつつ、松井コーチの下、短時間でのアップを終えた選手たちは、いつもの自分たちのエンジン回転にタコメーターを合わせたようです。颯爽とその赤いジャージ姿の雄姿を、緑のグラウンドに散らせていきました。

大会開催県枠として3年連続の出場となる相手校深谷はFW平均体重77kg。うちとほぼ同じの重量感。しかし、埼玉県での1月の新人戦決勝戦ではFW平均体重80kgの正智深谷校にモールで押し勝ちはしたが、惜しくも 17対21 の僅差で敗れた、モールに自信を持つ実力校。BKは⑬、⑭が懐深く走力を生かしてスワープを踏んでくるという切り札を持つ。

風は風速10~25mにも及ぶ暴風。深谷は自らなんと風下を選びました。ご当地の風に慣れた何かの戦術があるのでしょう。試合が始まってみると、風上は風上でBKのパスワークが困難で、またキックは飛びすぎて強弱、コントロールともになかなか覚つきません。風下はというと、キックはブーメランのように戻ってくるは、ラインアウトはまっすぐに投げても大きくピンポン玉のように曲がってしまいます。審判はナットストレートをどう判断するのでしょう? あまりにすごい強風で、風上の有利さがわからない状態です。

先制トライは福高でした。前半13分。敵陣22m手前中央から右に展開かと思いきや、SO松下の右コーナーフラッグ目がけた低いグラバーキック。右隅インゴールに転がったボールを右WTB石津が見事押さえてトライ!

(5 : 0)。<このSOがオープンスペースを利用してキックし、WTBとの阿吽のコンビネーションを採るパターンは最近とみに出来上がってきた成功率の高い福高のトライパターンです。>応援スタンド総立ち。大歓声。

前半19分。10mラインより少し敵陣に入った地点でペナルティをもらう。風上。狙え!ペナルティキック成功。

(8 : 0)。応援スタンド総立ち。大歓声。

その後、激しく、低い福高のタックルは相手深谷の攻撃を防ぐだけでなく、逆にマイボールチャンスとしてゆきます。FWが速く、低い集散で球出しし、BKが小気味よく左右ワイドに走り回る、まさに福高ならではの小兵ラグビーが展開。深谷得意のモールも福高FWの低い入りで動かず、(これが、深谷が前半風下を選んだモールで時間稼ぎし、前半を最少得点で折り返す戦術だったのでは?と疑った次第。)両チーム一進一退の中、前半26分。 やられました。 自陣22m内で相手のプレッシャーが速く、福高SOタッチキックをやむなくフェイ

ント。2次、再度同地点にて、マイボールモールから今度こそのタッチキック。風上だが、投げるSHにとっては風下。どうしてもSOがSHに近づかざるを得ない。深谷見事これをチャージし、右サイドにトライ。(8 : 5)。

ゴールならず、3点差のまま前半終了。

後半は福高、風下。深谷、前半の時間稼ぎのモール?も、福高FWの低い突っ込みがことごとくこれを止める。

福高押されない。あせった?(こんなはずじゃない!)深谷、途中、正面からの同点PGも狙わず、ひたすら自分達のモールへ。時間は後半残り1分。ロスタイム含めて4分。自陣風下から低くグラウンド中央に向けて蹴った(ドロップアウト後のキックだったか?)ボールが強風に戻されて相手のスピードに乗った前進キャッチとなり、カウンターアタック。 深谷BKの追い風に乗る左オープンの展開に、福高BK一人余らされ深谷左WTBに左隅へ飛び込まれた。(8 : 10)。残りはロスタイム。福高敵陣へ果敢に攻める。深谷必死のディフェンス・・・・ピッピー。試合終了。

負けは負け。原因があるはずです。負けはしましたが、選手達は「あの時をこうしていれば、あとこうしていれば、」という勝負の節目を大きなくやしさと同時に、次なるステップの大きな自信として刻印されたことでしょう。(藤田)

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チャレンジ枠

全国選抜大会は、今年度7回目となります。全国より24チームが参加して行われます。選考は各ブロックで行われ、九州3、四国1、中国1、近畿4というように20チームが各ブロック大会(九州では九州新人大会上位3チーム)より選考されます。残り4チームを開催県(埼玉県)1・前年度優勝ブロック1・チャレンジ枠2(実行委員会推薦)で決まります。本校はチャレンジ枠として出場することができるようになりました。チャレンジ枠2校は、西日本より1チーム・東日本より1チーム選考されます。福岡高校は九州ブロックのチャレンジ枠として推薦され本日の選考会議で西日本の他ブロックから出された推薦校と比較検討され選抜されました。推薦条件は、選抜大会で十分戦える実力を有すると予想されるチーム。話題性のあるチームとなっています。(牟田口)

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開催県枠 深谷高校(埼玉)

第7回全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会(wikipedia)

詳細

日付 時刻 シーズン
2006年4月3日 12:00 AM 2006

会場

熊谷ラグビー場

結果

チームTRYGOALPGDGPT
福岡10108
深谷200010