2024新人・準々決勝 福岡VS筑紫

12 - 36
フルタイム

概要

前半 福岡0-17筑紫

後半 福岡12-19筑紫

メンバー表 赤2年生 青1年生

 

創部100周年の歴史を背負って闘う新チームが初の公式戦に臨んだ。新人大会県大会で福工大城東を下して準々決勝に進み、2023年度の県大会準優勝校の筑紫と対戦。まだ荒削り。それでも潜在力の高さをみせた。

 

福高のキックオフで、いきなり7番の下山が高々と跳び上がり、空中でボールを奪うと、6番の大庭らが防御ラインに近い位置に迫って体を当て、テンポよくボールを動かす。思い切りの良さ、前に出る意識、序盤に凝縮させる。

すばらしいキックオフレシーブを見せた1年 下山慶士

 

しかしながら、先制したのは筑紫。筑紫フォワードの突進にわずかに差し込まれ、防御の人数がやや手薄に。筑紫の選手一人に対し、前に詰めた福高の二人がタックルにいって、内返しのパスで抜かれた。そこから大外にパスをふられ、トライを許した。前半2分、7点を追う展開に。

100年目のシーズンを引っ張る 大庭謙伸主将(中央)

 

その10分後。福高のラインアウトで、投げ入れたボールが上に抜け、自陣で攻撃権を筑紫に渡す。筑紫はラックから右へ右へとフォワードがピックアンドゴーで前進。福高の選手の視線が順目に、密集に集まっていく。筑紫は一気に逆目に振り戻し、ロングパスで防御の選手を切ってトライ。福高は12点を追う。

パスでボールを下げると福高のタックルに後退させられるとみたのか、敵陣に入って密集周りをフォワードで攻めては、そこから大きく展開する筑紫。数十センチの勝負で差し込まれると、視線も体も密集に寄っていく。福高は自陣に追い込まれ、キックで脱出を図るも、チャージされて得点を許す。17点差で前半を折り返した。

ハーフタイム 前主将小林光晴がウォーターボーイとして後輩たちをサポート

 

後半開始早々、見せ場をつくったのは福高。キックオフから密集の近場を攻め、15番の堂本らがゲインをとる。そこで抜け出したのが2番の児嶌。相手も跳ね飛ばし、自陣22㍍から一気にハーフラインへ。

ロングゲインする児嶌隼士 攻守に体を張った

 

外でパスを受けたのが15番の堂本。小刻みで巧みなステップでかわし、敵陣22㍍まで入り込む。最後はボールを失ってキックで逃げられたものの、個々のラン能力の高さが際立つ。

高いランニングスキルを見せた堂本大輔 ビッグマンファストマンキャンプに参加

 

ここからの防御でも前に出た。3番の永山と8番の新屋が、ともに低いダブルタックルを浴びせると、その重圧を避けるように筑紫は外へ。バックスがラインで前に追い込み、12番の岩﨑が仕留めた。激しく体を当てて、タックルで筑紫ゴールラインに迫っていく。

この日も前に出て低く突き刺さるタックルが随所に見られた

 

福高は流れをつかんだかにみえた。だが、手放してしまう。筑紫陣深くで得た福高のラインアウトでボールを奪われると、そこから筑紫が強気で展開、大外で突破し、ハーフラインまで戻した。たまらず福髙が接点で反則を犯し、タッチキックで筑紫が福髙陣へ。筑紫はラインアウトから外に振り、トライ。後半7分、一気に切り返した筑紫が着実に得点を重ね、その差は24点に。

 

得点が遠い福高。ようやくチャンスをものにした。筑紫陣深くの福高のラインアウトでモールを押し込んでから、最後尾の2番の児嶌がサイド攻撃。そこから密集の近場を攻める。最後は13番の三輪が手を伸ばしてトライ。後半12分、7対24に。

最初のトライを挙げた三輪俊輔

まだ間に合う。でも、もう一つ波にのれない。キックとタックルで筑紫を自陣に封じ込めるも、裏を通すパスから大外にボールを運ばれて、大きくゲインを許し、福高陣の深くに。筑紫にラインアウトから展開され、キックパスがつながってトライ。後半18分、7対29。再び引き離される。

 

このままでは終われない。筑紫がノッコンしたボールを手にした1番の吉用がゲイン。連続攻撃を仕掛け、6番の大庭が突破し、13番の三輪、14番の元田へ。なおも攻め立てる福髙に、たまらず筑紫が反則。

タッチキックかという空気が漂う中、静かにボールに近寄る15番の堂本。大胆に速攻を仕掛けた。ゴール前まで迫るが、あと一歩届かず。先を予測するように狭いサイドに回り込み、パスを受けた3番の永山がトライをあげた。残り6分、12対24。

ペナルティからの速攻でトライを挙げた

 

だが、またも、あのシーンが広がった。筑紫は自陣のラックからピックアンドゴーで、時間を使いながら攻め続ける。福高はじりじり後退。筑紫は長いパス三つで大外へ。力強いウイングに突破されて、福高はトライを献上。キックも決まって、試合終了のホイッスルが響いた。

12対36。この差を大きいとみるのか、小さいとみるのか。福高はタックルで前に出て追い込んだ。個々の突破力も光った。これから、攻撃の起点となるラインアウトやスクラムの安定も、綻びもあった防御の修正も求められるだろう。でも、ここがスタートライン。無限の伸びしろが、このチームにはある。

文/入江剛史(高43回) 写真/保護者撮影

詳細

日付 時刻 シーズン
2024年1月21日 11:00 AM 2024

会場

春日公園球技場

結果

チームTRYGOALPGDGPT
福岡210012
筑紫630036